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私は赤ワインはあまり飲みませんが、先に、白ワインと赤ワインの違いから簡単におさらいします。
■赤ワインと白ワインの違い
赤ワインはブドウの実を果皮や種ごと発酵槽に入れて発酵させるが、白ワインは、ブドウを
破砕したらすぐに圧搾機で搾汁する。そして、その果汁を発酵槽で発酵させる。
つまり、白ワインは果皮や種にある成分があまり抽出されない。
ブドウに含まれるポリフェノールの多くは果皮や種に含まれている。
このため、白ワインは赤ワインに比べてポリフェノールの量が少なくなってしまう。
さまざまなワインのポリフェノールの含有量を計測した結果によると、300~700ppm程度で、
赤ワインの半分から数分の1程度となっているようだ。
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■白ワインのポリフェノールは性能がいい
白ワインのポリフェノールの総量は赤ワインに比べて少ないが、赤ワインのポリフェノールに
比べて分子量が小さいという特徴がある。
このため、胃や腸内で吸収されやすく、抗酸化作用が早く現れる。
つまり、量は少ないが性能がいいわけでである。
特に、日本で栽培されている甲州種の白ワインは、低分子ポリフェノールが多く含まれている
という。
白ワインの中でも「樽」で熟成させたタイプのものは、ポリフェノールの含有量が少し増える
という。
樽に使われる木に含まれるポリフェノールがワインに移るためだ。
一般に、カリフォルニアなどのニューワールド産の白ワインは、樽の香りが強いものが多いが、
そういったタイプはポリフェノールが多いそうだ。
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■白ワインの殺菌効果
白ワインならではの優れた健康効果もある。
それが、大腸菌、サルモネラ菌などの食中毒菌に対する強い抗菌力だ。
白ワインには、赤痢菌、サルモネラ菌、大腸菌などの食中毒菌に有効であることは古くから知
られている。これは、白ワインに含まれるアルコールと有機酸の
相乗的な働きによるものである。
ある教授の実験によると、白ワインでサルモネラ菌、大腸菌をそれぞれ培養したところ、サルモ
ネラ菌は10分間、大腸菌は20分間で10万個の細菌が数個まで減少したという。
「赤ワインでも同じように殺菌効果がありますが、殺菌力は白ワインの方が強い」という。
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■まだまだある白ワイン効果
白ワインの健康効果はこれだけではない。
ワインには赤白を問わず血圧を下げ新陳代謝を活発にしたり、腸内環境を整えたりする効果
がある。
新陳代謝を活発にする効果は、ワインに多く含まれるカリウムによるものだ。
カリウムには利尿作用があり、体外にナトリウム(塩分)を排出してくれる働きがある。
また、赤白ワインいずれにも多く含まれる有機酸により、腸内細菌群のバランスを整え、
ビフィズス菌などの善玉菌を増やす効果も期待できる。
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■スパークリングワインの効果は?
スパークリング・ワインは、まず白ワインを作り(一次発酵)、これに糖分と酵母を加え、
瓶やタンク内で二次発酵させる。このため、健康効果は白ワインとほぼ同じになる。
しかし、酵母と接している時間が長くなり、アミノ酸などの成分がワインに溶け出すため、
通常の白ワインに比べて、アミノ酸成分が豊富になる。
殺菌効果も白ワインと同じなので、魚介類と合わせるのにも適している。
なお、スパークリング・ワインに含まれる炭酸(二酸化炭素)は、この二次発酵によりできる
のだが、安価なスパークリング・ワインでは、白ワインに二酸化炭素を吹き込んだだけという
製法をとっていることもあるそうだ。
そのため、健康効果を考えるなら、伝統的な製法で作られるシャンパン(フランス)、カヴァ
(スペイン)、スプマンテ(イタリア)、ゼクト(ドイツ)や、それに相当する製法をうたって
いるワインを選びたい。
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