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AST(GOT)、ALT(GPT)は肝細胞で、γ-GTP は胆管でつくられる酵素で、いずれも「トランスア
ミナーゼ」と呼ばれます。
肝臓でアミノ酸の代謝にかかわる働きをしています。
肝細胞が破壊されると血液中に放出されるため、その量によって肝機能を調べることができます。
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AST(GOT)、ALT(GPT)
健康な方の血液中にもみられますが、肝臓に障害が起こって肝細胞が壊れると、血液中に流れる
量が増えるため、値が上昇します。
心筋や骨格筋、赤血球中などにも多く含まれているASTと比べて、ALTは主に肝臓中に存在して
いるため、肝細胞の障害の程度を調べるのに適しています。
健康な人ではALTよりASTが高値を示しますが、肝障害の場合、ALTの方が高くなります。
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γ-GTP
たんぱく質を分解する酵素で、肝臓、腎臓、膵臓などの細胞に含まれており、これらの組織に
障害が起こったり、肝・胆道系に閉塞があると、血液中に流れ出てきます。
したがって、肝臓および胆道系疾患のスクリーニング(選別検査,ふるい分け)としてよく用
いられます。
またγ-GTPはアルコールに敏感に反応し、肝障害を起こしていなくても、普段からよくお酒を
飲む人では数値が上昇します。
ただし健康な人は、一時的にγ-GTPの数値が上昇しても、すぐにもとに戻るので、一定期間禁酒
した後にγ-GTPの再検査をすれば、アルコールによる上昇か、肝臓や膵臓などの障害による上昇
かの区別は簡単につきます。 (例えば、肝機能検査と呼ばれる血液検査の3つ、GOT(新しい呼び方
はAST)、GPT(同ALT)、γーGTPの半減期は2~3週間だと考えられています。ですから、例え
ばγーGTPが毎年200ある人が100未満まで下げたいと思ったら、3週間以上もお酒を断たなければ
いけません。)
また最近では、アルコールに関係なく生じた非アルコール性脂肪性肝炎(アルコールに関係なく
肝臓に中性脂肪がたまり、それが原因で起こった肝炎)でも、γ-GTP値が上昇することがわかっ
てきました。
γ-GTP値が100未満であればさほど心配しなくても大丈夫ですが、100を超えている場合は「飲み
すぎ」といえる状態です。
飲酒をしていないにもかかわらず100を超えている場合は肝臓・胆道系の障害の可能性もあるので、
再検査が必要になります。
500以上になると慢性的な飲酒というよりも急性アルコール性肝炎の可能性が高く、すぐに治療し
なければなりません。
また、抗てんかん薬、抗凝固薬、向精神薬、ステロイド薬などの薬物でもγ-GTPの値は上がる
ため、そうした薬物の摂取がないかを確認する必要があります。
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項目 |
基準値 |
疑われる病気 |
AST (GOT) |
7~38 IU/L |
高値:急性肝炎、劇症肝炎、
慢性肝炎、アルコール性肝炎、
脂肪肝、肝硬変、肝がんなど |
ALT( GPT) |
4~44 IU/L |
γ-GTP |
男性:80 IU/L以下
女性:30 IU/L以下 |
高値:急性肝炎、慢性肝炎、
肝硬変、肝がん、アルコール性肝障害、
非アルコール性脂肪性肝炎、
薬剤性肝障害、胆道系疾患など |
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