|
|
兵法三十六計は、中国の魏晋南北朝時代の兵法書。兵法における戦術を六系統・三十六種類に分類
した内容である。
著者は南北朝時代の南朝宋の将軍檀道済(たん どうせい、? - 元嘉13年3月8日(436年4月9日))。
「三十六計逃げるに如かず」の語源である。
劉宋(りゅうそう)の建国者である劉裕に仕え、宋の第2代皇帝・少帝の後見になったが、のちに
その武名を恐れた3代文帝によって殺害された。(ウィキペディアより一部抜粋)
■ 勝戦計 こちらが戦いの主導権を握っている場合の定石
1 瞞天過海(まんてんかかい)
読み下し 「天を瞞(あざむ)きて海を過(わた)る」
意味 敵に繰り返し同じ行動を見せつけて見慣れさせておき、油断を誘って攻撃する。 |
2 囲魏救趙(いぎきゅうちょう)
読み下し 「魏を囲んで趙を救う」
意味 敵を一箇所に集中させず、奔走させて疲れさせてから撃破する。 |
3 借刀殺人(しゃくとうさつじん)
読み下し 「刀を借りて人を殺す」
意味 同盟者や第三者が敵を攻撃するよう仕向ける。 |
4 以逸待労 (いいつたいろう)
読み下し 「逸(いつ)を以(もっ)て労を待つ」
意味 直ちに戦闘するのではなく、敵を撹乱して主導権を握り、敵の疲弊を誘う。
|
5 趁火打劫 (ちんかだきょう)
読み下し 「火に趁(つけこ)んで劫(おしこみ)を打(はたら)く」
意味 敵の被害や混乱に乗じて行動し、利益を得る。 |
6 声東撃西 (せいとうげきせい)
読み下し 「東に声して西を撃つ」
意味 陽動によって敵の動きを翻弄し、防備を崩してから攻める。
|
■ 敵戦計 余裕を持って戦える、優勢の場合の作戦
7 無中生有(むちゅうしょうゆう)
読み下し 「無中に有(ゆう)を生ず」
意味 偽装工作をわざと露見させ、相手が油断した所を攻撃する。 |
8 暗渡陳倉(あんとちんそう)
読み下し 「暗(ひそ)かに陳倉に渡る」
意味 偽装工作によって攻撃を隠蔽し、敵を奇襲する。 |
9 隔岸観火 (かくがんかんか)
読み下し 「 岸を隔てて火を観る」
意味 敵の秩序に乱れが生じているなら、 あえて攻めずに放置して敵の自滅を待つ。 |
10 笑裏蔵刀 (しょうりぞうとう)
読み下し 「笑裏(しょうり)に刀(かたな)を蔵(かく)す」
意味 敵を攻撃する前に友好的に接しておき、油断を誘う。 |
11 李代桃僵 (りだいとうきょう)
読み下し 「李(すもも)が桃の代わりに僵(たお)れる」
意味 不必要な部分を切り捨て、全体の被害を抑えつつ勝利する。 |
12 順手牽羊(じゅんしゅけんよう)
読み下し 「手に順(したが)いて羊を牽(ひ)く」
意味 敵の統制の隙を突き、悟られないように細かく損害を与える。
|
■ 攻戦計 相手が一筋縄でいかない場合の作戦
13 打草驚蛇 (だそうきょうだ)
読み下し 「草を打って蛇を驚かす(くさをうって へびをおどろかす」
意味 状況が分らない場合は偵察を出し、反応を探る。 |
14 借屍還魂 (しゃくしかんこん)
読み下し 「屍を借りて魂を還す」
意味 死んだ者や他人の大義名分を持ち出して、自らの目的を達する。 |
15 調虎離山 (ちょうこりざん)
読み下し 「調(はか)って虎を山から離す」
意味 敵を本拠地から誘い出し、味方に有利な地形で戦う。 |
16 欲擒姑縦 (よくきんこしょう)
読み下し 「擒(とら)える事を欲するならまず逃がせ」
意味 敵をわざと逃がして気を弛ませたところを捕らえる。 |
17 抛磚引玉(ほうせいいんぎょく)
読み下し 「磚(レンガ)を抛げて(投げて)、玉(宝石)を 引く」
意味 「海老で鯛を釣る」とほぼ同意である。自分にとっては必要のないものを囮にし、敵をおびき
寄せる。 |
18 擒賊擒王 (きんぞくきんおう)
読み下し 「敵を虜にしたければ、その王を捕らえるべきである(そうなれば敵軍はただの賊と
同じだ)」
意味 敵の主力や、中心人物を捕らえることで、 敵を弱体化する。 |
■ 混戦計 相手がかなり手ごわい場合の作戦
19 釜底抽薪 (ふていちゅうしん)
読み下し 「釜底の薪を抽(ぬ)く」
意味 敵軍の兵站や大義名分を壊して、敵の活動を抑制し、あわよくば自壊させる。 |
20 混水摸魚(こんすいぼぎょ)
読み下し 「水を混ぜて魚を摸(と)る」
意味 敵の内部を混乱させ、敵の行動を誤らせたり、自分の望む行動を取らせる。 |
21 金蝉脱殻(きんせんだっこく)
読み下し 「金蝉、殻を脱す」
意味 あたかも現在地に留まっているように見せかけ、主力を撤退させる。 |
22 関門捉賊(かんもんそくぞく)
読み下し 「門(もん)を関ざして賊を捉(とら)う」
意味 敵の退路を閉ざしてから包囲殲滅する。 |
23 遠交近攻(えんこうきんこう)
読み下し 「遠きと交わり近きを攻める」
意味 遠くの相手と同盟を組み、近くの相手を攻める。 |
24 仮道伐虢(かどうばっかく)
読み下し 「道を仮(か)りて、虢(かく)を伐(う)つ」
意味 攻略対象を買収等により分断して各個撃破する。
|
■ 併戦計 同盟国間で優位に立つために用いる策謀
25 偸梁換柱(とうりょうかんちゅう)
読み下し 「梁(はり)を偸(ぬす)み、柱(はしら)に換(か)う」
意味 敵の布陣の強力な部分の相手を他者に押し付け、自軍の相対的立場を優位にする。 |
26 指桑罵槐 (しそうばかい)
読み下し 「桑(くわ)を指して槐(エンジュ)を罵る」
意味 本来の相手ではない別の相手を批判し、 間接的に人心をコントロールする。 |
27 仮痴不癲 (かちふてん)
読み下し 「痴を仮(いつわ)りて癲(てん)せず」
意味 愚か者のふりをして相手を油断させ、時期の到来を待つ。 |
28 上屋抽梯(じょうおくちゅうてい)
読み下し 「屋(おく)に上げて梯(はしご)を抽(はず)す。」
意味 敵を巧みに唆(そそのか)して逃げられない状況に追い込む。
|
29 樹上開花 (じゅじょうかいか)
読み下し 「樹上に花を開(さか)す。」
意味 小兵力を大兵力に見せかけて敵を欺く。 |
30 反客為主 (はんかくいしゅ)
読み下し 「客を返して主(あるじ)と為す」
意味 一旦敵の配下に従属しておき、 内から乗っ取りをかける。 |
■敗戦計 自国がきわめて劣勢の場合に用いる奇策
31 美人計(びじんけい)
意味 土地や金銀財宝ではなく、あえて美女を献上して敵の力を挫く。 |
32 空城計(くうじょうけい)
意味 自分の陣地に敵を招き入れることで敵の警戒心を誘い、攻城戦や包囲戦を避ける。 |
33 反間計 (はんかんけい)
意味 敵のスパイを利用し、敵内部を混乱させ、自らの望む行動を取らせる。
|
34 苦肉計 (くにくけい)
意味 人間というものは自分を傷つけることはない、と思い込む心理を利用して敵を騙す。 |
35 連環計(れんかんけい)
意味 敵と正面からぶつかることなく、複数の計略を連続して用いたり足の引っ張り合いを
させて勝利を得る。 |
36 走為上(そういじょう)
読み下し 「走(に)ぐるを上(じょう)と為(な)す」
意味 勝ち目がないならば、戦わずに全力で逃走して損害を避ける。
「三十六計逃げるに如かず」の語源である |
|
|
|